March 01, 2005

Back to Me / Kathleen Edwards (Zoe/Rounder)

 気心の知れた地元の仲間たちとリラックスして作った前作が思わぬ反響を呼び、こんな逸材がどこに隠れていたんだ!と各誌で絶賛されたカナダ出身女性SSW(26才)の2作目。Lost Highwayのレーベル・コンピに1曲収録されていたのを記憶している人もいるのでは?今回はプロデューサーにジム・スコットを迎え、大好きなTom Petty & the Heartbreakersのベンモント・テンチも招いて一層“その手”のサウンドに磨きをかけた充実作に仕上がりました。この声から誰もが思い浮かべてしまうのは、やっぱりルシンダ・ウィリアムスだと思いますが、シンプルなアコースティック・ナンバーで際立つ、まるで深い静寂の森のむこうから聞こえてきそうな“スピリチュアル”とさえ形容したくなるその深遠な歌声は、すでに孤高の域に達しています。父親が外交官だったせいで思春期の大半をスイス・韓国というロック不毛の地(?)で過ごしながら、兄が持っていたボブ・ディランやニール・ヤング、トム・ペティのレコードを唯一のルーツに、いまこれだけネイティヴなアメリカーナ・サウンドを体現できてしまっているのは、彼女の魂に宿る本能的なセンスなのでしょうか。真骨頂の憂いを帯びた泣きメロがグッとくる【1】、そのままトム・ペティが演ってもおかしくないタイトル・トラック【2】、ソフィスティケイトされていないシェリル・クロウのよう(?)な【6】など今回も見事に佳曲揃い。そうそう、これは僕がずっとシェリル・クロウ姉さんに期待してた音のような気がするなぁ。なぜかMy Morning Jacketのジム・ジェイムスが【4】でゲスト参加!なんで!?