October 01, 2004

Open House / Eric Athey (Marchbrown)

  なんだかThe Jayhawks『Holywood Town Hall』のジャケット写真を思い起こさせてくれるペンシルヴァニア出身SSWのデビュー作。詳細なバイオグラフィが不明なので、年齢も定かじゃないんで すが、なんでもこれまで20年近くもの間、ひたすら地元のバーで演奏し続け、これがやっと初録音だとか。ニューヨークにある、かつてはバプティスト教会 だった小屋(ジャケ写の建物?)で、生々しく荒削りにライヴ録音されています。ボブ・ディランからの影響を色濃く感じさせる詩人のような佇まいと、ニー ル・ヤングを彷彿とさせるパッションを同居させ、素朴なアコースティック・サウンドをメインに、抜群の泣きメロを紡いでくれます。ややもすると単調な弾き 語りに陥りがちなこの手の作品に、フィドルやバンジョー、マンドリンを奏でながら温かな表情を宿すことに一役買っているのが、なんと彼の旧友という、Son Voltのマルチ奏者デイヴ・ボクィスト。Son Volt時代にも曲ごとに楽器を持ち替え、ジェイ・ファーラーの 横でひたすらクールな存在感を放っていたこの男の久々の カム・バック作という意味でも一聴の価値ありでしょう。残念ながら再始動Son Voltに はジェイ以外のオリジナル・メンバーの不参加が決まり、デイヴの代わりにはThe Backslidersのブラッド・ライスが加入(!)していますが、今後のデイヴの動向にも注目です。ちなみに、デイヴといえば、弟のジム(Son Voltのベーシスト)のことも気になってしまいますが、ジムは今作には不参加で、そのかわり、新たなボクィスト兄弟(?)、マークがドラム叩いてたりし ます。スプリングスティーンの爽やかヴァージョンみたいな【1】が最高。

※ポール・ウェスターバーグがバック・バンドにボクィスト兄弟を起用?(詳細はこちら