The Places We Meet / Stewboss (Stewsongs)
そのあまりの完成度の高さに、次こそメジャーかと密かに期待していたロサンゼルスのトリオ、またしても自主制作の3枚目。前作『Sweet Lullabye』では、バンドのアンセムになりえる名曲♪Counting to 7 at Your Old Barstool (Time) を生み、UKツアーを成功させるなど着実に地盤を固めてきました。一時期解散の噂も流れ心配しましたが、そんな不安を吹き飛ばす、今回も超快作。ギター、ヴォーカルの他にも、ドブロ、バンジョー、フィドル、マンドリン、ダルシマーなどのあらゆる弦楽器をこなすニュージャージー出身のメイン・ソングライター、グレッグ・サーフェティの引き出しの多さを改めて実感させるバラエティ豊かな仕上がりですが、絞り出したような苦しさや、逆に無理矢理詰め込みすぎたような窮屈さのない、湧き出るアイデアを手ですくえた分だけ取り入れているかのような、欲のない感じが彼らの持ち味。泣きのバラードからミドル・テンポのフォーク・チューン、元気いっぱいのパワー・ポップ・ナンバーからドライヴするR&Rチューンまで変幻自在に繰り出します。カジュアル版カウンティング・クロウズ(Miles of Music評)みたいな趣もありますが、ストーンズやトム・ペティ、スプリングスティーンらのエッセンスをセンスよく消化しながら、ごく自然なかたちでStewboss節のようなものがすでに確立されてしまっているところも見事です。今度こそ絶対にメジャーが放っておかないと思うけど、この完成度なら全然自主制作でオッケーなような気もします。Slobberbone、Will Hogeと並ぶ「中堅アメリカーナ三羽ガラス」の保証付き。
※Web版LAST HURRAH のインタビューに応えてくれました!
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