March 13, 2005

Put The O Back In Country / Shooter Jennings (Universal South)

 アルバム・タイトルを、ブックレットに映っているTシャツの文字に倣って正確に記すと、"Put the O Back in C_untry"っていうふうになるんですが。70年代にウィリー・ネルソンらと共に保守的なナッシュビルのカントリー・シーンに叛旗を翻したアウトロー・カントリーの救世主、ご存知ウェイロン・ジェニングス(1937-2002)のひとり息子が、再び腐り切った甘っちょろいカントリー・シーン(かどうかはよく知らないけど)に喝を入れるべく満を持して登場。血筋からすればまさにカントリー界のサラブレットである彼も、ティーンネイジャーの頃はナッシュビルを飛び出してL.A.界隈でハード・ロック・バンドを率いて活動。それでもやっぱり血筋は消せなかったってことなんでしょうか。父親のウェイロン・ジェニングスはもちろん、マール・ハガード、ジョージ・ジョーンズ、ジョニー・キャッシュ、ストーンズ、ニール・ヤングらの名前が次々登場するニール・ヤング♪Are You Ready for the Country? のゴキゲンなリメイク・ナンバー【1】や、御大ジョージ・ジョーンズ参加(!)の【2】など、全編カントリー万歳!な一枚ですが、あえてロック的なアプローチは避けたと言いつつも炸裂する【5】【7】あたりのグルーヴ感溢れるロック・チューンも聴き応え十分。“親の七光り”って酷評する人もいるんだろうけど、ビデオ・クリップなんか観ると、そのスター然とした風格みたいなものは、やっぱり流石だと思います。バンジョー、マンドリン、ラップ・スティール、ドブロ、リッケン12弦を駆使するギタリスト、ルロイ・パウエルも超ファイン・プレイ。ブライアン・アダムスを彷彿とさせる(!?)ベッタベタの【2】に不覚にも涙! さて、彼らはカントリーが失ってしまった“O”を取り戻すことができるのでしょうか? え? "O"って何かって? それを考えながら聴くのがオツなんじゃないですかっ。