February 21, 2005

Rock 'n' Roll Pony / Gina Villalobos (Kick Music)

 普段あまり女性ものを聴かない僕にとって、去年のティフト・メリット(2004年マイ・ベスト)はまさに想定外の出来事であって、今後しばらくあれほど女性ものにハマることなんてないだろうと思っていたんだけどなぁ。実はそのティフト・メリットとほぼ同時期にリリースされていたカリフォルニアはサンタバーバラ出身女性SSWの2作目。このたびUK盤リリースのタイミングで紹介されていたのを偶然見かけたおかげで聴き逃さずにすみました(ってことで2005年マイ・ベストに入れちゃってもいいか)。90年代中頃からLiquid Sunshineを率いて3枚のアルバムを発表、カリフォルニアのローカル・シーンでそこそこの成功を収めた後、あらたに結成したMadesではメアリー・ルー・ロードやCounting Crows、Weezerの前座を務めた経歴などもあるようで、もっと広く認知されてもおかしくないくらい、その実力は確かなものと言えそうです。テキサス生まれ&ノース・カロライナ育ちのティフト・メリットのような田舎臭い演歌っぽさ(もちろん褒め言葉)とはまたちがう西海岸出身ならではの爽やかさを感じさせながら、随所にフィーチャーされたペダル・スティールの心地よい響きがいい塩梅にカントリー風味を醸し出していて、そのけれんみのない歌心と、瑞々しすぎず枯れすぎず、僕にとっては十分にコケティッシュな歌声に、たちまち虜になってしまいました。ときにはハスキー声でシャウトしながら、小柄な体に不釣り合いなアコースティック・ギターをかき鳴らす健気な姿は、まさにロックンロール・ポニーといった感じ。本家のカール・ウォーリンガー(元Waterboys)も絶賛したキュートなカントリー・タッチのWorld Partyのカヴァー♪Put the Message in the Box がなんてったって最高。今作リリース直前に右目を失明するアクシデントに見舞われるも、精力的にツアーをこなし、現在早くも新作の準備中だとか。いまもっとも新作が待ち遠しいアーティストのひとりです。